コロナ禍を受けて、趣味を大切にする人が増えてきた。
おうち時間が長くなったことで、新しいことに挑戦してみようという人が増えたからかもしれない。
今回、我々がフォーカスしたのが「ものづくり」。クラフト、ハンドメイド作品の人気は根強く、「自分好みにつくることができる」「世界に一つだけのオリジナル作品」という点が魅力だ。
亀戸にももちろんクラフト体験ができる場所が多くある。
その一つが「Hanashyo’S」。江戸切子をつくることができるお店だ。
Hanashyo’Sは、日本を代表する江戸切子のトップブランド「江戸切子の店 華硝」が経営する江戸切子スクールだ。
江戸切子とは、表面に色のついたグラスに模様を削る技法のこと。江戸時代末期からつくられており、日本の伝統工芸品となっている。
創業70年になる江戸切子の店 華硝には、国内外から多くのお客さんがやって来る。日本で唯一江戸切子職人が経営するスクールとあって、本格的な制作体験ができるのだ。
インフルエンサーの森さんと江戸切子づくり
今回、江戸切子体験をするのは森 真梨乃さん。通称マリノス。決してサッカーの方ではない。
たびたびTwitterで、個性的なツイートが話題になる女性だ。
みなさんは恋人や配偶者と口論になってお互い頭に血がのぼってしまったとき、どうしていますか?
わたしは「ちょっと2人ともヒートアップしちゃってるから、10分後にまた話そう?」と言っていったんその場を立ち去ります!そしてその10分で武器を探す
— 森 真梨乃 (@marinoKVP) July 20, 2020
いくらエイプリルフールとはいえ「ハンターハンター、連載再開だって!」って嘘つけるやつ、人の心が無いの?あまりにひどい。道徳の授業ちゃんと聞いてなかったのか?
— 森 真梨乃 (@marinoKVP) April 1, 2020
気さくで愉快な方だとおわかりいただけただろう。
ツイートのような独自の視点で、江戸切子体験を魅力的に伝えてくれそうだからお呼びした。ちなみにハンドメイド系の趣味は通ってきていないとのこと。初心者でも伝統工芸である江戸切子をつくることはできるのだろうか。
今回は、60分の体験コースを申し込んだ。店主であり江戸切子職人でもある熊倉さんにつくり方を教えていただく。
「今日はよろしくお願いします」
「とても楽しみにしてきました!こちらこそよろしくお願いします」
まずはデザインを決める
まずはデザイン決めから。サンプルが何個かあるので、その中から自分がつくりたいデザインを選んでいく。
「サンプルとはいえ職人がつくっているものなので、初めてで再現できる方はそんなにいません。真似しているつもりでも個性が出て、味のある切子グラスになりますよ」
「なるほど〜。でもせっかくだから凝りたいな。ほら、オリジナリティです」
サンプルのままでもいいとは伝えたものの、こだわりたいという森さん。
熊倉さん曰く、底のデザインにこだわりすぎて底を削るだけで60分使ってしまった人もいたのだという。こだわりすぎも要注意である。
「あっ、これ底がとっても綺麗〜!私でもできますか?」
「できると思います。雪の結晶のようなデザインで結構人気です」
「ちなみに職人さんだと、これをつくるのにどれくらいかかるんですか?」
「3分」
「3分?・・・このデザインにします!結構深く削ってますけど割れたりしないんですか?」
「江戸切子で使用するグラスは、削る想定でつくられているので厚いんです。よっぽどのことがない限り割れません」
こだわりが出る底を削る
デザインが決まったところで、削る作業に取り掛かる。最初は底の部分を削る。

基本的な持ち方や手順を教えてもらう森さん。
「グラスの端から当てると割れてしまうので、真ん中から当てるようにしてください」
「えっ。端から当てるものだと思ってました」
側面でも底でも端から当てず、真ん中からスタートするのが基本らしい。
ガガガガッ・・・・!!!!
「怖っ!!想像以上に怖いのですが!」
「最初は勇気がいりますよね。感覚がわからないから」
「グラスだから刃が透けて見えるんですよ!怖い!」
意外な才能を発見!森さんベタ褒めされる
怖いと言いつつ、冷静にグラスの底に刃を当て続ける森さん。無言で当て続ける姿とリアクションが伴っていない。
「怖いと言いつつも思いきりがいいです。削れる音が聞こえますよね?この音が一定なのでしっかり削れています」
ギーというグラスの削れる音が聞こえているのだが、怯んでしまう人はブブ・・・グギギというように不穏な音が出るのだそう。
「おお!綺麗に真ん中でクロスしている!これ結構難しいんですよ」
「やったー!褒められた」
話しかけてはいけない、そんな雰囲気だ。
江戸切子はもちろん、クラフト作業の良いところは、一つのことに集中できることだろう。
「大体削れました!」

サンプルと見比べるとこの通り。
「・・・うまい。やってました?」
「いや、初めてです」
少年漫画の主人公のように、初めから素質があるタイプだったよう。職人さんに「やってた?」と聞かれるあたりガチである。
底の微調整は最後に回し、今度は側面の作業に取り掛かる。森さんはどんどん削り進めていった。時間が経つにつれ、グラスの削れる音の安定性が上がっていく。
・・・我々は恐ろしい人を呼んでしまったかもしれない。なぜなら上手すぎると上手すぎるで撮れ高がないからである!
「あっ!やってしまった!!」
「どうしました!?」
そうそう、これである!起承転結の転!ハプニングを待っていた!
後編へ続く
スポット紹介
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸3-1-9
アクセス:JR亀戸駅 徒歩15分
電話番号:03-5858-9175
受付時間: 10:00~18:00(月曜定休)
※体験は事前にお電話で予約が必要となります。
詳しくはこちらをご覧ください。
Edit by カメイドタートルズ編集部